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三島由紀夫の【あやめぐさ】とは?芳澤あやめについて調べてみた!

公開日: : 最終更新日:2017/06/17 歌舞伎

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こんにちは、りりえぴです!

先日りりえぴは、三島由紀夫の

「女方」を読んでみました。

 

「女方」の内容を少し・・・

 

佐野川万菊という女形に増山という学生が魅せられ、

作者部屋の人になるお話なのですが、

その増山の見る目で、三島由紀夫氏の歌舞伎の舞台に対する

目線が体験できて、とても面白かったです。

 

それというのは、歌舞伎の舞台に出ていた沢山の歌舞伎役者の方々っていうのは、

今の世の感情ではない感情を味わいつくして舞台に立っているということでした。

そのことについて、三島由紀夫はものすごい描写力でその世界を描いています。

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たとえば、増山が憧れている「万菊」が、舞台から控え室に戻ってくるときの描写は

その身体一杯に溢れている舞台で演じてきた大役の情念を、江戸時代の花魁や、

戦国時代の姫君、その感情や情念を、か細い体一杯に万菊は受け止め

そして控え室に帰ってくる。

 

その万菊の身体のどこに、それだけの感情を入れる器があるのか

増山の目を通して三島由紀夫は、女形に対する驚きと憧れを

隠しきれずにいるのが、とてもよく伝わってきます。

 

「増山は大役を演じて楽屋にかえったときの佐野川屋が好きであった。

今演じてきた大役の感情のほてりが、まだ万菊の体一杯に残っている。

それは夕映えのようでもあり、残月のようでもある。

 

古典劇の壮大な感情、われわれの日常生活とは何ら相渉らぬ感情、

御位争いの世界とか、七小町の世界とか、奥州攻めの世界とか、

前太平記の世界とか、東山の世界とか、甲陽軍記の世界とか、

 

一応は歴史に則っているように見えながら、

その実どこの時代とも知れぬ、錦絵風に彩られ誇張され

定型化されたグロテスクな悲劇的世界の感情、

 

・・・・人並み外れた悲嘆、超人的な情熱、身を妁きつくす恋慕、

恐ろしい歓喜、およそ人間に耐えられぬような

悲劇的状況に追い詰められた者の短い叫び、

・・・そういうものが、つい今しがたまで万菊の身に

宿っていたのだ。

 

どうやって万菊の細身の体がそれに耐えてきたかふしぎなほどだ。

どうしてこの繊細な器から、それらが滾れてしまわなかったのか

ふしぎである。」 出典:三島由紀夫「女方」より

 

 

 

たしかに、舞台の上は、この世のものではない様な・・・

そう考えると、歌舞伎役者の方々というのは

ものすごい勢いで見たことのない日本の昔にタイムスリップしてきて、

その感情を観客である私達に持ってきて見せてくれているのかと思うと、

歌舞伎座というのは、一種独特で、不思議な、荘厳な空間なのだなあ・・・

と思わずにはいられないのでした。

 

坂東玉三郎さんも、「女形は華やかなものですが、私は見た目より、

その役を通した向こう側の世界を感じていただきたいと思っています

と言われているのですね・・・

 

向こう側の世界って、何だかすごく惹きつけられます

 

この万菊のモデルになった女形の方はだれなのかな・・・

玉三郎さんでは、時代的に合わないから、

もしかすると中村歌右衛門さんでしょうか・・・

(やっぱり六代目 中村歌右衛門さんみたいです!)

 

でもって、物語の中に、万菊は決して人前で食事を取らず、

「あやめぐさ」の訓えをひたすら守って

 

「女方は楽屋にても、女方という心を持つべし。

弁当なども人の見ぬかたへ向きて用意すべし」

 

というくだりがあるのですが、

「あやめぐさ」って何??

りりえぴは不思議に思ってさっそく調べてみることに!
 

 

 

☆あやめぐさとは?

 

芳澤あやめ(初代)という、1673年の元禄から享保年間にかけて

大阪で活躍された、女形の歌舞伎役者さんがおり、

この方は女形をやるにあたって、門人の方々に厳しくこの「あやめ草」

を教えていたそうです。

 

この芳澤あやめの話を実際に見聞きした狂言作者の「福岡彌五四郎」が、

晩年に口述して、「役者論語」という一冊の本にまとめたものでした。

この中に、「あやめ草」の章が載っているそうです。

 

その内容も、以下の様な感じらしく・・・女形の心得が29か条にわたって

記録されているそうです。

 
  1. 人前では絶対に食事をとらない
  2. 相手役の立役には、男性である自分を決して見せない。
  3. 幕間の休憩時であっても、相手役に男であると言うことを決して感じさせてはいけない
  4. 普段の生活も、常に女性として生活を送る
 

まだまだ続くそうですが、とにかくすごすぎる~、、

女形の修行とは、「体と心の修行」であると、以前りりえぴは読んだことがありますが

男の人が演じる女性というものが、ここまで高められてきたことが

 

なんだかすごいことと同時に、なぜに世の中には女性と男性がいるのかな・・・

という不思議さがどんどん湧いてくるのでありました。

 

皆さんはどんな風に思われますか・・・

 

舞台の上で人が演じることって、あまりにも奥が深いですね・・・

 

こちらの三島由紀夫の「女方」は、

「花盛りの森・憂国」に収められている一編でした。

ご興味のある方はどうぞ~!

 

花盛りの森・憂国

 

今日も訪れて下さりありがとうございました!(´▽`) /

写真出典:千代田の大奥「観菊」より

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