こんばんは!歌舞伎、超初心者のりりえぴです
最近めっきりと秋が深まってまいりました・・!あっという間に10月大歌舞伎もあと1日で千秋楽だなんて、、
日々の流れをとっても早く感じます。
今年の十二月大歌舞伎も早速今から楽しみであります!
第三部では、りりえぴが昨年見逃した玉三郎さんの『二人椀久』!そして、初めての『京鹿子娘五人道成寺』!!
娘五人道成寺とは・・・一体どんな舞台になるのでしょうか、、(汗)
今からワクワクドキドキのりりえぴであります
そいでもって、今日は、昨年の12月大歌舞伎で拝見しました、『妹背山女庭訓 杉酒屋、道行恋苧環、三笠山御殿』のことを
書いてみたいと思います。
この妹背山女庭訓とは、大化の改新の時代を題材とした、大スペクタルな物語でありまして、
吉野川でも書かせて頂きました様に、初段から五段に亘る物語であります。
先月の吉野川は三段の物語でしたが、このお三輪が出てくる舞台は四段にあたる物語です。
蘇我氏全盛のころ、自ら帝位につこうとする蘇我入鹿が帝の追放を計画し、帝の忠臣、藤原鎌足は入鹿討伐のチャンスをうかがうために、身を隠しておりました。
王朝での権力争いに巻き込まれてしまったお三輪、鳥帽子折求女、橘姫の三人の恋模様が切なく激しく絡み合う物語です。
三角関係の物語であります・・・!
この舞台では、色男の鳥帽子折求女を尾上松也さんが、橘姫を中村児太郎さんが、そしてお三輪を坂東玉三郎さんと、中村七之助さんが、ダブルキャストでお役をされておりました。
今回、杉酒屋と道行恋苧環の巻は、七之助さんがお三輪をされておりました。七之助さんのお三輪もとてもよかったのですが、りりえぴが「えっ!」っと思ってしまったのは、中村児太郎さんでした。
道行恋苧環の巻で、求女と橘姫の舞の場面があるのですが、中村児太郎さんの舞が、どこからどう見ても、
お姫様にしか見えない!!
中村児太郎さんて、舞台を降りると、結構男らしい方だと思っていたのですが、この橘姫を演じる児太郎さんの舞は、恋をしているお姫様にしか見えないのであります・・
歌舞伎の舞台って本当に摩訶不思議だと思いました。
中村児太郎さんの舞台、もっと見てみたいと思ってしまいました!
そして、三笠山御殿のお三輪は玉三郎さんでした!!
もうあの舞台に堰を切って走り込み、求女さんを探し回る玉三郎さん、、、求女さんしか私の世界には無いっていう感じが
すごい勢いで伝わってきて、胸がきりきり痛みました、、
人を好きになるエネルギーって、こういうの?と思ってしまう位、その登場の場面は目を奪われました。
玉三郎さんのお三輪を観ていると、「どうして赤い苧環を取らなかったの??」って叫びたくなるくらい、かわいそうなお三輪を演じており、、女官達にいじめられてもさげすまれても、求女さんを恋しがる思いが痛いくらい伝わってきてしまい、、
りりえぴは東の3階席で滂沱しておりました、、、
玉三郎さん、お三輪にしか見えない、、ていうか、お三輪だし、、
お三輪を抱きしめてあげたくなる位、かわいそうだった・・
そんな中に、求女と橘姫が奥の座敷で祝言を挙げてしまったと聞いたお三輪、嫉妬に狂ったお三輪の形相がすごかったです・・・
狂ったお三輪が立ち上がり、奥に踏み入ろうとした瞬間、鱶七という男に刺されてしまいます。
お三輪が嫉妬に狂った瞬間を狙ってわざと刺された理由とは、鱶七とは、実は鎌足の家臣であり、刺したあとに
「女悦べ。それでこそ天晴れ高家の北の方、命捨てたる故により、汝が思う御方の手柄となり、入鹿を滅ぼす術のひとつ、おお出かしたなあ」と声をかけます。
この、お三輪の嫉妬に狂った血と、爪黒の鹿の血を鹿笛にかけて吹けば、入鹿の力が衰えることをお三輪に向かって語りかけます。
お三輪は嫉妬の心が全く別の想いに変化し、恋人求女の役に立てたことを喜び死んで行くのですが・・・
それでも最後に「求女さん、一目会いたかった」と言い残して死んでいきます。
お三輪はこの時、ずっと後姿しか客席から見えないのですが、世界の中にたった一人、お三輪だけが残されて、恨みや憎しみだったお三輪の心がふわっと風になって、上に昇って消えていく様な、そんな想いが残った舞台だったのです。
女の人だったら、お三輪と同じ想いになるのかな、、
そんなことを想ってみると、りりえぴもなんだか寂しい気持ちが広がってきて、切なくなってしまうのであります
日本の古典ってすごい~!!