アニミタス_さざめく亡霊たち 『クリスチャン・ボルタンスキー』 東京都庭園美術館にて

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こんにちは!りりえぴです

このお休みに、東京港区白金台にある東京都庭園美術館を訪れました。

その時の展覧会がこちらクリスチャン・ボルタンスキー 「アニミタス_さざめく亡霊たち」というタイトルの展覧会でした。

特に気持ちを惹きつけられたのが、新館ギャラリー1で拝見した「眼差し Regards 2013」というタイトルの作品は、幾人もの人々の証明写真から抽出された、引き伸ばされた「瞳」がプリントされたカーテンの中を、象徴的なライトの光が照らしており、見る人々を中へ中へ誘う様に出来ており、そのどこを通っても、眼差しが追いかけてくる、そんな作品でした。

ギャラリーの真中には金塊の塊の様な、巨大なオブジェである「帰郷 Volver 2016」という作品があり、実はこの中身は大量の古着の山で、それを黄金色のエマージェンシー・ブランケットで覆ったものでした。

 

沢山の人々が肌身につけていた、夥しい数の洋服類を、経済の象徴の様な黄金色の、救命シートが覆っている・・・

 

その空間の中に立ち尽くすと、さまざまな想いが湧いてきました。

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たとえば、沢山の瞳がプリントされた薄い布のカーテンがヴェールの様に重なって、そこにプリントされた瞳も重なって、引きのばされた瞳からの視線を感じるとき、私は今、誰に覗かれているのか・・誰の視線を浴びているのか・・

人が人に出会う時、瞳は最大の触覚となるはずで、これは人間の持てる外界を感じ取る最高の部位なのだということを、思い出すような気持ちがしました。

亡くなった人も、生きている人も、その触覚の様なまなざしをもって、あらゆるものを垣間見てきた。

その記憶を透かすように、この空間を訪れる人々に、無数の視線が何かを投げかけている。

幽霊の瞳の視線を浴びるような、だけれど懐かしい気持ちが残る、不思議な展覧会でした。

クリスチャン・ボルタンスキーはフランスを代表する現代美術家ですが、今回この庭園美術館を訪れて、さまざまな何かを感じたとインタビューで話しておりました。

東京都庭園美術館は、1933年に、朝香宮邸として久邇宮朝彦親王の第八王子、鳩彦王、允子妃が新居として暮らしてきた建物で、夫妻は1925年、パリで開催された「アール・デコ博覧会」に強い影響を受け、帰国後アール・デコ様式を取り入れた邸宅を建設することになり、それが今の東京都庭園美術館となったそうです。

フランスの室内装飾家アンリ・ラパンや、ジュエリーデザイナーのルネ・ラリックなどが日本の建築家とのコラボレートで建てられた、アールデコの館、東京都庭園美術館。

1947年以降は吉田茂外相・首相邸宅として使用され、1955年から赤坂迎賓館が改装される1954年まで、迎賓館として使われていた様ですが、1983年10月1日より東京都庭園美術館として、一般公開される様になります。

この地に建てられて80年以上の時を刻んだこの館に、ボルタンスキーは、ここに生きてきた人々の亡霊があふれているとインタビューで話しておりました。

ボルタンスキーの展覧会は、今回初めて見たのですが、かつて居たものの生死を感じる空間の中に、ボルタンスキー自身の語りかけを、見る側の前にぶら下げてくる様な何か、を強く感じました。

肉体を持って生きている私達のすぐそばに、目には見えないけれども確かな存在がそこにある。

その音の無い話し声を、日々ひそやかに浴びて暮らしている私達を、感じ取ることが出来る展覧会でした。

 

クリスチャン・ボルタンスキー Christian Boltanski

『アニミタス_さざめく亡霊たち』

2016年9月22日-12月25日まで

東京都庭園美術館にて開催

『アールデコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間』も同時開催

どちらも同じチケットで入館できます!

 

 

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